銭飲みとは、銭湯に入り、一杯飲んで帰る。それだけ。
では近くの銭湯で汗を流して、一杯飲んで帰りますか。
■ここは極楽か?非日常のおしゃれ銭湯
この隣町の間の関係性はどうなんでしょう?
駅前には定泉寺。1621年開山の由緒あるお寺です。明暦の大火(1657年)で、この地に移転したとの事。明暦の大火は、日本史上最大の火災で江戸の大半を焼き尽くし、死者は3万~10万人と言われているようです。
今回の目的地ふくの湯さんに向い、住宅街の小径を歩いていると町内会の消化器。
今でも密集しているので火の用心が大事ですね。
そんな歴史を感じながら歩いていると、住宅街を抜けて10分弱でふくの湯さんが、見えてきました。
その手前になんだろう?お店じゃないようですが。
こういう風景に出会えるのも街歩きの楽しさです。
外見はモダンで美しい造りです。
入口で頂いた小冊子を読むと、10年程前にリニューアルされた新時代型の銭湯です。
浴室は「弁財天の湯」と「大黒天の湯」があり、男湯と女湯、週替わりでの入れ替え。
今日の男湯は右側の「弁財天の湯」です。
※写真はネット記事の写真をふくの湯さんの許可を頂いて使用しています。
うーん。コンパクトながら大正ロマン的な雰囲気と現代的な美しさを兼ね備え、和風モダンであります。
まずは汗をかいた身体をしっかり洗って、頂きます。
茶バエキスの鮮やかな緑色のお湯は、武蔵野の井水。優しいお湯です。
ぬるめの38度で全身の疲れが抜けて行くようです。
ペンキ絵は、赤富士と鷹と茄子。縁起が良い。ナカジマのサインが入っているので中島盛夫さんの作ですね。※HPによると大黒天のペンキ絵は丸山清人さんの作との事。凄いですね。
壺湯があります。浸かって上を見上げると鮮やかな鳳凰?の図。
gravityfree(グラビティフリー)とサインが入っています。
※調べると、世界を舞台に活躍する、音楽とペイントを融合させる2人組の絵画作家
うーん。アートな銭湯です。
何か銭湯という日常の中で、非日常的な気分にさせてくれます。
お風呂に入り、「あー極楽」と言いますが、まさにその気分。
隣の浴室との境には、美しい弁財天様が描かれています。
そんな弁財天様の姿を見ていると昔を思い出しました。
あれは小学校の3年生の時。今でも面影が浮かびます。化粧の濃い、派手な顔立ちの担任の先生。私はその先生が好きでした。
先生が病気で休み。その後、退院して自宅療養。との話を聞いて、いてもたってもいられず、お見舞いに行く事にしました。
こずかいを握りしめ、途中の花屋さんで花束を買い、バスに乗り、先生の家に行きます。
応対に出られたお母さんに、お見舞いに来た旨を伝えると、喜んで家に上げてくれました。花を渡すと先生がとても喜んでくれたので、3日続けて訪問。
すると3日目には、少し不機嫌そうに、「もう来ないでいい」と言われました。
私の初恋は終わりました。
大人になって当時の事を思い出した時、花屋さんで買ったのは、一番安かった菊の花だった事を思い出しました。
さて優しいお湯と昔の記憶で温まったので、上がります。いいお湯でした。
千駄木・根津周辺の散歩帰りに寄るにも良い銭湯です。
さて一杯飲んで帰りますか。
ふく湯さん
営業時間 平日午前10時~夜12時 土曜・日曜・祝日 朝湯8時~
定休日 年中無休
サウナ無 ボディソープ・シャンプー 有り